【2026年】電子取引データと税務調査Q&A|重加算税10%加重に注意
この記事でわかること
令和6年1月から電子取引データの保存が完全義務化され、2年半が経ちました。税務調査の現場でも「電子取引データを見せてください」が当たり前の質問になりつつあります。さらに2026年9月には国税庁の基幹システム更改(KSK2への移行)が控えており[2]、データを起点とした調査への流れは一段と強まる見込みです。
本記事では、電子帳簿保存法と税務調査・加算税の関係を、顧問先に説明しやすいQ&A形式で整理します。
Q1. 電子取引データ保存の義務化で、調査は何が変わった?
メールで受け取った請求書PDF、ECサイトでダウンロードした領収書データなど、電子でやり取りした取引情報は電子データのまま保存することが義務です。紙に印刷しての保存代替は原則認められません[1]。
調査では、検索要件(取引年月日・金額・取引先で検索できること)や改ざん防止措置(タイムスタンプ、訂正削除の防止に関する事務処理規程など)を満たした保存になっているかが確認されます[1]。「保存はしているがフォルダに放り込んだだけ」という顧問先は、検索要件のところでつまずきがちです。
Q2. 重加算税の「10%加重」とは?
ここが本記事で最もお伝えしたい点です。スキャナ保存された書類や電子取引データに関して隠蔽・仮装(改ざん、架空データの保存など)があった場合、重加算税が通常より10%加重されます[1]。
| 区分 | 通常 | 電子データに隠蔽・仮装があった場合 |
|---|---|---|
| 重加算税(過少申告) | 35% | 45% |
| 重加算税(無申告) | 40% | 50% |
「紙の改ざんより電子の改ざんの方が重い」と覚えておくと説明しやすいですね。データは複製・改変が容易である一方、痕跡も残りやすい。安易な修正が命取りになる、という注意喚起は顧問先への定例アナウンスに組み込む価値があります。
Q3. KSK2への移行で調査選定はどうなる?
国税庁は令和8年9月24日に国税総合管理(KSK)システムを刷新します[2]。申告データ・法定調書・インボイスといった情報がより統合的に扱われるようになれば、申告内容とデータの突合による調査対象の選定は精緻化していくと考えられます。
裏を返せば、データ間の不整合(売上計上漏れ、支払調書との食い違いなど)が機械的に浮かび上がりやすくなるということです。調査対応の第一歩は、調査が来てからの準備ではなく、日常の記帳とデータ保存の整備に移っています。
Q4. 会計事務所としてのチェックリストは?
- 電子取引データの保存状況の棚卸し:保存場所・検索要件・事務処理規程の有無を顧問先ごとに確認。
- 優良な電子帳簿の検討:優良帳簿の要件を満たせば過少申告加算税の5%軽減措置もあります[1]。ペナルティ回避だけでなく攻めの選択肢も提示したいところです。
- 2026年9月のシステム更改前後の手続確認:e-Taxの停止期間や新様式への切り替えスケジュールを事前に把握[2]。
まとめ
電子帳簿保存法は「対応して終わり」の制度ではなく、税務調査・加算税と地続きの制度になりました。重加算税10%加重と加算税5%軽減——ムチとアメの両方を材料に、顧問先のデータ管理体制を一段引き上げる好機と捉えたいところです。
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、具体的な税務判断については必ず税理士等の専門家にご相談ください。また、税法は改正される場合があります。最新情報は国税庁等の公式サイトをご確認ください。
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