【2026年9月】KSK2移行で法定調書クラウド提出が変わる

いよいよ今年の9月、国税の基幹システムが大きく切り替わります。令和8年(2026年)9月24日、国税庁は国税システムの更改(通称KSK2移行)を予定しており、申告書・届出書・法定調書など約1,800件の様式が新しくなる見込みです[1]。私自身、顧問先に外国法人や非居住者への支払いがある事務所からすでに「うちは何を確認すればいいのか」という相談を受け始めています。今回の更改では、非居住者・外国法人向けの法定調書や源泉徴収票のクラウド提出仕様も対象に含まれており、国際税務を扱う会計事務所ほど早めの棚卸しが欠かせません。本稿では更改の全体像と、実務を止めないために今から押さえておきたいポイントを整理します。

KSK2移行のスケジュールと影響範囲

まず押さえておきたいのが、e-Taxが使えなくなる期間です。国税庁の公表によると、令和8年9月19日(土)0:00~9月24日(木)8:30、そして9月26日(土)0:00~24:00の間はe-Taxを利用できません[2]。中間申告や源泉所得税の納付が重なりやすい時期だけに、この停止期間を知らずにギリギリで送信しようとして慌てる、という事態は避けたいところです。

あわせて、令和8年9月24日8時30分以降はe-TaxのIPアドレスが固定型から動的型に切り替わります[3]。社内のファイアウォールでIPアドレスを指定して接続している事務所は、URL接続への切り替えが必須になるので、情報システム担当がいる先ではここも早めに共有しておきたいところです。国税庁は、多くの申告書・届出書・法定調書の様式が刷新され、申告書の控用は廃止、配色は原則白黒になるとも案内しています[1]

国際税務・源泉徴収に関わる仕様書もアップデート対象

今回の更改で見落とされがちなのが、国際税務まわりの帳票です。国税庁が公表したe-Tax仕様書等の一覧には「源泉徴収票等のオンライン送信に係る仕様書」「クラウドサービス等を利用した法定調書の提出に係る仕様書」「多国籍企業情報の報告に係る仕様書」が含まれており、非居住者への給与・報酬支払に関する源泉徴収票や支払調書のクラウド提出方式も更新対象となっています[4]。受付開始日は帳票ごとに異なり、令和8年9月24日または10月1日以降となる帳票の一覧が令和8年7月1日付で追加公表されました[5]。「うちの顧問先には関係ない」と思っていても、海外子会社への配当や外国人従業員への給与を扱っていれば、ほぼ確実にどれかの帳票が該当します。

会計事務所が確認しておきたい3点

まず1つ目は、顧問先に非居住者・外国法人への支払(給与、使用料、配当など)がある場合、該当する法定調書・源泉徴収票がクラウド提出仕様の変更対象に含まれているかどうかの確認です。2つ目は、使っている給与計算・会計クラウドソフトのベンダーに、KSK2対応版のリリース時期を問い合わせておくこと。ソフト側の対応が遅れると、いくらこちらが準備していても提出できません。3つ目は、9月19日~26日の停止期間をまたぐ源泉所得税の納付や法定調書提出がある顧問先には、前倒しでのデータ送信を早めに案内しておくことです。

まとめ

2026年9月のKSK2移行は税制改正そのものではありませんが、法定調書のクラウド提出仕様が変わることで、国際税務・源泉徴収を扱う実務は一時的に負荷が増すはずです。停止期間・様式変更・IPアドレス変更という3つの変化を早めに把握し、顧問先への周知とクラウドソフトの対応状況チェックを進めておくことが、9月の混乱を避ける一番の近道だと感じています。

本記事は情報提供を目的としており、具体的な税務判断については必ず税理士等の専門家にご相談ください。また、税法は改正される場合があります。最新情報は国税庁等の公式サイトをご確認ください。

参考リンク

  1. 国税システムの更改について|国税庁
  2. 国税システムの更改に伴うメンテナンス時間について| 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)
  3. e-TaxホームページのIPアドレスの仕様変更について| 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)
  4. e-Tax仕様書等(ドラフト版)の掲載について【令和8年1月5日受付開始予定】| 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)
  5. 令和8年9月のe-Taxソフト更新対象帳票一覧(予定)に

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