【2026年版】生前贈与加算は今何年分?7年ルール移行期の実務Q&A

【2026年版】生前贈与加算は今何年分?7年ルール移行期の実務Q&A

この記事でわかること

令和5年度税制改正で、暦年課税の生前贈与加算(持ち戻し)期間が相続開始前3年から7年に延長されました。ただし一気に7年になるわけではなく、令和6年(2024年)1月1日以後の贈与から段階的に延びていきます[1]

「結局、今年亡くなった場合は何年分を足し戻すのか?」——相続の現場で最も聞かれる質問ではないでしょうか。2026年時点の答えと、移行期ならではの注意点をQ&A形式で整理します。


Q1. 2026年中に相続が開始したら、加算期間は?

結論からいえば、従来どおり3年分です。7年ルールの対象になるのは令和6年1月1日以後の贈与であり、加算期間が実際に3年を超え始めるのは令和9年(2027年)1月1日以後に開始する相続からです[3]

相続開始日 加算対象期間
〜2026年12月31日 相続開始前3年以内
2027年1月1日〜2030年12月31日 2024年1月1日から相続開始日まで(3年超〜7年未満)
2031年1月1日以後 相続開始前7年以内

つまり2026年の今は「3年ルールの最終年度」にあたります。来年以降に相続が開始する案件から、加算期間が少しずつ延びていくイメージです。

Q2. 延長された4年分には特例があると聞いたが?

あります。相続開始前3年以内の贈与は従来どおり全額加算ですが、延長された4年間(相続開始前3年超〜7年以内)の贈与については、総額100万円まで加算されません[1]。年100万円ではなく「4年分の総額で100万円」という点は誤解が多いので要注意です。

また、加算対象は相続または遺贈により財産を取得した人への贈与です。孫や子の配偶者など、相続で財産を取得しない人への贈与はそもそも加算対象外——この基本は7年ルール後も変わりません[1]

Q3. 相続時精算課税の110万円基礎控除はどう使い分ける?

同じ令和5年度改正で、相続時精算課税に年110万円の基礎控除が新設されました(令和6年1月1日以後の贈与から)。この基礎控除の範囲内の贈与は、贈与税の申告が不要で、相続時の足し戻しも不要です[2]

暦年課税は7年持ち戻しに延びた一方、精算課税の110万円以下部分は持ち戻しゼロ。この逆転で、高齢の贈与者については「精算課税を選択して毎年110万円ずつ」という設計が有力になりました。ただし、いったん精算課税を選択するとその贈与者からの贈与は暦年課税に戻せない[2]、小規模宅地等の特例との関係など、出口まで見据えた判断が必要です。

Q4. 移行期の実務で押さえるべきことは?

  1. 贈与記録の長期保存:2027年以後の相続では2024年1月1日まで遡って贈与を確認します。通帳・贈与契約書の保存を今のうちから顧問先に徹底してもらいましょう。
  2. 110万円以下の暦年贈与も加算対象:贈与税がかからなかった贈与でも、加算期間内なら相続財産に足し戻します[1]
  3. 相続人以外への贈与の活用:孫への贈与は加算対象外が原則。ただし遺贈や生命保険金の受取で相続財産を取得すると加算対象に転じる点は見落としがちです。

まとめ

2026年は「3年加算の最後の年」であり、来年からは案件ごとに加算期間が変わる移行期に入ります。暦年課税×7年持ち戻しと、精算課税×110万円基礎控除。どちらが有利かは贈与者の年齢・財産構成次第ですので、シミュレーションを添えた提案が喜ばれる場面が増えそうです。


免責事項
本記事は情報提供を目的としており、具体的な税務判断については必ず税理士等の専門家にご相談ください。また、税法は改正される場合があります。最新情報は国税庁等の公式サイトをご確認ください。


参考リンク

  1. No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)|国税庁
  2. No.4103 相続時精算課税の選択|国税庁
  3. 令和5年度改正 相続時精算課税・暦年課税の改正の概要(国税庁PDF)

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