【2026年12月施行】iDeCo拠出限度額引上げ|年末調整・所得控除の実務

【2026年12月施行】iDeCo拠出限度額引上げ|年末調整・所得控除の実務

この記事でわかること

2025年に成立した年金制度改正により、iDeCo(個人型確定拠出年金)は2026年12月1日から拠出限度額の引き上げと加入可能年齢の拡大が実施されます[1]

「老後資金の制度改正でしょ?」と思われがちですが、iDeCoの掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象[3]。つまり限度額の引き上げは、そのまま所得控除枠の拡大です。今年の年末調整・来年以降の節税提案に直結するテーマとして整理しておきます。


Q1. 拠出限度額はどう変わる?

加入者区分 改正前(月額) 改正後(月額)
第1号被保険者(自営業者等) 6.8万円 7.5万円(国民年金基金等と合算)
第2号被保険者(会社員・企業年金なし) 2.3万円 6.2万円(企業年金の掛金等と合算した枠)
第2号被保険者(企業型DC加入者) 2.0万円
第2号被保険者(DB等加入者・公務員) 1.2万円

とくにインパクトが大きいのは会社員・公務員です。企業年金の事業主掛金分を差し引いた残り枠までiDeCoに拠出できる形に整理され、企業年金のない会社員は月2.3万円→6.2万円と約2.7倍になります[1]。適用は2026年12月分の掛金からです[2]

Q2. 加入可能年齢はどうなる?

これまで原則65歳未満(国民年金被保険者)だった加入可能年齢が、70歳未満まで拡大されます。60歳以降も一定の要件(iDeCoの資産を有している、老齢給付を受給していない等)を満たせば拠出を続けられるようになります[1]

顧問先の役員・個人事業主で「65歳で拠出が止まってしまった」層に、再開・継続の選択肢が生まれる点は見逃せません。

Q3. 税務面のメリットを整理すると?

  1. 拠出時:掛金全額が小規模企業共済等掛金控除の対象[3]。仮に企業年金のない会社員が満額6.2万円×12か月=年74.4万円を拠出すれば、その全額が所得控除になります。
  2. 運用時:運用益は非課税。
  3. 受取時:一時金は退職所得控除、年金受取は公的年金等控除の対象。

年末調整では「小規模企業共済等掛金払込証明書」に基づき控除します。2026年12月に掛金を増額した場合、増額後の掛金が反映されるのは実務上翌年からとなるケースが多いため、証明書の金額と実際の拠出額のズレには注意したいところです。

Q4. 会計事務所としての提案ポイントは?

  1. 企業年金の有無の確認:改正後の枠は「6.2万円から事業主掛金等を控除した残り」。顧問先従業員の企業型DC・DBの加入状況の把握が出発点です。
  2. 小規模企業共済との併用:個人事業主は小規模企業共済(月7万円)とiDeCo(月7.5万円)の併用で所得控除枠を大きく確保できます。
  3. 資金繰りとのバランス:iDeCoは原則60歳まで引き出せません。節税額だけでなく流動性の説明もセットで。

まとめ

2026年12月のiDeCo改正は、ここ数年で最大級の「所得控除枠の拡大」です。年末調整シーズンと施行時期が重なるため、今年の秋には顧問先向けの案内資料を準備しておくことをおすすめします。


免責事項
本記事は情報提供を目的としており、具体的な税務判断については必ず税理士等の専門家にご相談ください。また、税法は改正される場合があります。最新情報は国税庁等の公式サイトをご確認ください。


参考リンク

  1. 確定拠出年金制度|厚生労働省
  2. iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)
  3. No.1135 小規模企業共済等掛金控除|国税庁

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