AIは見逃さない!過去最高額を更新する税務調査の実態と、会計事務所が準備すべき「裏付け資料」の整備術

AIは見逃さない!過去最高額を更新する税務調査の実態と、会計事務所が準備すべき「裏付け資料」の整備術

リード文

最近、税務当局の「デジタル化」のスピードには目を見張るものがあります。特にAIを活用した調査対象の選定は、今やSFの世界ではなく現場のリアルです。選定の精度が上がったことで、調査官はあらかじめ「狙いを定めて」やってくる時代になったと言えるでしょう。

1. AI活用による税務調査の「高精度化」

統計データを見ると、その変化は一目瞭然です。

所得税の実地調査1件あたりの追徴税額は241万円にまで上昇しています[https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/shotoku_shohi/pdf/shotoku_shohi.pdf]。

突然の「お尋ね」は、実地調査への入り口?

最近よく耳にするのが、本格的な調査の前段階として届く「お尋ね(行政指導)」の増加です。AIが抽出した異常値に基づいて送られてくるこの書類に対し、いかに整合性の取れた回答ができるかが重要です。ここでしっかりとした裏付け資料を示せれば、本格的な実地調査への発展を食い止める「防波堤」となってくれます。

2. 狙われる「富裕層」と「暗号資産」

当局が特に力を入れているのが、以下の2つの領域です。

  • 富裕層: もはや海外ならバレないという考えは通用しません。CRS(共通報告基準)によって世界中の口座情報が自動的に共有され、AIが所得隠しをあっさりと特定してしまいます。
  • 暗号資産: こちらの追徴税額は前年比31.4%増の46億円と、凄まじい勢いで伸びています[https://coinpost.jp/?p=673813]。銀行口座への多額の入金があるのに、申告額が不自然に低いケースは、AIにとって格好のターゲットです。

3. 会計事務所が実践すべき整備術

「何か言われた時に探す」のでは手遅れです。日頃から以下の2点は徹底しておきましょう。

  1. 100万円超の海外送金エビデンス: 100万円を超える送金は、銀行から税務署へ「国外送金等調書」が自動的に送られています[https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7421.htm]。資金使途を即座に説明できる契約書などは、PDF等ですぐ出せるようにしておくべきです。
  2. 暗号資産の移動履歴: 取引所間の移動は、後から追いかけるのが非常に困難です。ウォレット間の履歴も一元管理し、「なぜこの取得価額になるのか」の計算根拠を常にクリアにしておく指導が求められます。

免責事項

本記事は情報提供を目的としており、具体的な税務判断については必ず税理士等の専門家にご相談ください。また、税法は改正される場合があります。最新情報は国税庁等の公式サイトをご確認ください。

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